※情報の拡散にご協力ください ▶シロシル能登 令和8年熊本地震支援記事
八代市の井戸水断水が起きている地域は、日奈久断層の西6キロに集中していることがわかりました。
■2本の線の奇妙な一致
私たちの「家まるごと給水」をお申込みいただいた井戸水断水世帯309軒を地図上にプロットしてみたところ、ピンが見事に一列に並びました。

直感的に思いました。この列こそ、日奈久断層の線ではないか、と。
※今回の地震は、10年前に割れ残った日奈久断層帯の一部で起きたと評価されています。
座標を生成AIに計算してもらったところ、分析結果は、半分当たりで、半分外れでした。
井戸水断水世帯の列は、断層の真上ではありませんでした。断層の地表の線は八代平野の東の縁、山との境目を走って日奈久から八代海へ抜けます。井戸水断水世帯はそこから平均およそ6km西。断層から2km以内のお宅は、1軒もありません。
そして、並びの「向き」を計算して、驚きました。井戸水断水世帯の分布は、北から東へ20度傾いた細長い帯。断層の走向は23度。その差、わずか3度。これら2本の帯は、ほぼ完全に平行だったのです。
※注:断層線は地震調査研究推進本部の公表図に基づく近似、世帯の座標化は町名単位の概算です

■八代の豊かさと日奈久断層
この結果は、八代の土地の成り立ちを考えると、よく理解できます。
日奈久断層は何万年もかけて、山際にまっすぐな線を刻みました。その西側に、球磨川が土砂を運んでデルタをつくり、人が干拓して広げた低地が、断層と平行に伸びています。地下水が浅く、井戸を掘りやすい土地。だから水道はあえて引かれず、人々は井戸と共に暮らしてきました。
しかし、軟らかい低地は揺れに弱く、今回の地震で液状化がおき、砂が井戸に流れ込み、井戸水断水が起きました。井戸で暮らせる土地と、地震に弱い土地は、同じ土地だった、ということです。
断層がつくった線と、その西に寄り添う暮らしの線。平行な二本の線は、水と共にあった暮らしそのものを示しています。
■井戸水断水世帯の今後
さて、この列は、これから伸びるのか、縮むのか。
残念ながら、しばらくは増えると私は見ています。8月中旬の市の調査(約4,400世帯)の後も新たな断水の報告が続いていること。砂の流入は一度で終わらず、余震や汲み上げのたびに少しずつ井戸を詰まらせること。そしてこれから冬にかけて、田に水がなくなり雨も減って、地下水位が一年で最も下がる季節に入ること。今ぎりぎり出ている井戸が、涸れる側に回る可能性が充分にあります。
もちろん、希望もあります。10年前の熊本地震では、水前寺成趣園の湧水が涸れて全国を驚かせましたが、数ヶ月で水は戻りました。地下の圧力は、時間をかけて釣り合いを取り戻します。来年の梅雨が地下に水を蓄え、洗浄と掘り直しが進めば、列は縮み始めるはずです。
つまり、井戸水断水世帯が減り始めるのは来年から、というのが私の読みです。
■冬の備えが必要
私は、この冬が正念場だと思っています。井戸水断水世帯が増える季節と、洗浄や掘り直しなどの井戸復旧が追いつかない時期が、ちょうど重なるからです。
その時期が来るまでに、なんとか「家まるごと給水」を行きわたらせたいと思っています。湯気の立つ台所と、風呂と、洗濯物のある暮らし。そんな当たり前の暮らしを皆さんにして頂くために。
私たちは、今日も水を運びます。
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一般社団法人能登乃國百年之計 岩城慶太郎





